PS.”Purify”

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Designer Jan-Jan Van Essche

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【 CLOSET 】

 

今期SSより、RiZM Closet のラインナップに加わる”JAN-JAN VAN ESSCHE”のご紹介です。
彼、JAN-JAN VAN ESSCHE(ヤンヤン ヴァン エシュ)は、ベルギーアントワープ出身のデザイナーです。
キャリアとしては、ベルギー、アントワープの王立芸術アカデミーを卒業し、ドリスヴァンノッテン賞など、数々の名誉ある賞を受賞しています。
今、最も熱い視線を受けている若手デザイナーと言っても過言ではないはず(少なくとも私にとっては)。

彼の洋服創作は、彼の意識にキャッチされた世界の多様な文化からインスピレーションを衣服として再構築することにあります。
そのような意味では、DAMIR DOMA と相通ずるグローバルな目線を持った次世代のデザイナーといえるでしょう。

彼は日本文化に非常に興味を持っており、パリのショールームで私に日本の写真集を見せてくれました。
それは、大正、明治頃の日本の庶民の暮らしを写し取った古く煤けた白黒写真でした。
岸壁で縄を引く漁師、野良作業をしている男達、着物姿の慎ましい娘たち、、、
美輪明宏の「ヨイトマケの唄」で歌われているような、貧しいなかにも、彼らの表情にはなにかしら一筋の光が差し込んでいるような、そんな写真でした。
私が “August Sander” の写真に同じような気持ちで惹かれるように、彼もそのように極東の地に想いを馳せているようでした。
(残念ながら写真集の名前は聞き忘れましたが)

そんな彼の創作する洋服は着物 “Kimono” を連想させるものです。
トラウザースは、袴や作務衣のようにイージーでボリューミーなシルエットが特徴的。
シャツでいえば、平面のパターンで肩線はなく、いかつい男でも華奢な女性もすんなりと体に溶け込むように柔に変化します。
大胆に施された脇のスリットは甚平のような清涼感があります。
しかし、単なるジャポニズムの模倣ではなく、そこには学び育ったアントワープのセンスが彼のがベースとなっていることは言うまでもありません。

ヨーロッパの優雅なペールカラーの色表現と繊細なタッチ感の素材。
アジアのもつ有機的なアースカラーと潔いシルエット。
そのバランスが素晴らしいと感じました。

コレクション発表のアプローチも非常にユニークです。
通常のブランドであれば、春夏、秋冬とシーズン2回発表します。
JAN-JAN VAN ESSCHEでは、6月に1年間の季節をロングスパンで考えられたトータルコレクションを。
1月には、それとはまた別な角度による彼の個人的な興味と視線で作り上げた “PROJECTS” コレクションを発表しています。

365日、日々穏やかに移り変わる季節の風をゆったりと五感で感じるフルコレクションライン。
そして、実験的なアプローチと手間ひまをかけたハンドメイドの “PROJECTS” コレクション。

そのコントラストとバランスの潔さ、同時に彼らの理念に基づいたセールスのアプローチは斬新で考えさせられるものが確かにありました。
ブランド自体まだ始まったばかりで、そのような新たな試みは険しい道を歩んでいるかも知れません。
しかしそこには、彼JAN-JAN VAN ESSCHE を信頼し支えるチームとしての結束と既存のルールから解放された知性を感じられずにはいられませんでした。

どのような気持ちで洋服を作っているの?という私の問いに対し、「自分の周りにいる親しい友人に似合いそうな洋服をイメージして作っているよ」と、自然に答えた彼の暖かい人柄に好感を持ちました。また彼の重要なパートナーである Piëtroにより撮影されたイメージビジュアルにも、まるで気心が知れた友人達のポートレートのような親密な空気感が漂っています。コンセプトや技術的なテクニック、マニアックな素材加工の話も興味深いものですが、実際のところそういうシンプルな気持ちと人柄のほうが人の心を打つように私個人は思います。
そしてなによりも私の心を動かしたのは、彼の制作した洋服に袖を通すたびに感じる我々の先祖に対する尊敬の念、そのものでした。

…JAN-JAN VAN ESSCHE チームの持つ “VISION”に共感し、今期春夏よりRiZM Closet にて取り扱いを始めることを約束しました。
そしてつい先日、待望の 2013 “IN AWE” COLLECTION が、RiZM に届きました。暖かい手紙とともに。
まずはルックをごゆっくりご覧ください。
そして、JAN-JAN VAN ESSCHE 今後の彼らの活躍にご期待ください。

 

PS.”Purify”
今期春夏の RiZM CLOSET “2013 SS COLLECTION” テーマは “Purify”。
浄化、清める、といった意味をさします。
例えば、神社で神様にお参りする前に手水舎で手や口を注ぐお清めや、茶道でいえば、棗(なつめ)や茶杓を袱紗(ふくさ)で清める所作。
身近な事で言えば朝の目覚めの洗顔だったり、寒さに震えながら新聞を取りにいったときに、ふいに浴びる朝日だったり。
そのように、着ることによって気持ちが凛とし清められるような “Purify” を感じるアイテムラインナップにしたつもりです。
それは、JAN-JAN VAN ESSCHE 彼らの洋服を見て感じた感覚をヒントにしたシーズンコンセプトだったことを付け加えておきます。
何かを感じ共感して頂ければ、とても嬉しく思います。

RiZM 代表 中村憲一

 

 

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